患者の生活実験室

白血病患者(寛解中)が能動的な患者として楽しく暮らしていくために試した諸々と、医療や身体に関する本の読書記録

【本】どこからが病気なの?(市原真)

どういう状態になったら病院に行く判断をしたらいいのか?どの時点から医療に身を委ねるべきなのか?そのボーダーを判断する材料をくれる本。医療はチーム戦、孤独が治療の最大の敵という著者の言葉はまさにという感じだ。

かぜと肺炎の違い、アトピーは体質なのか、なぜ高血圧がよくないのか、がんって結局何なのか、病は気からって本当か。このような疑問への回答について、その勘所を丁寧に書いている。

「がんは『人体という都市に現れた反社会勢力』」「がんの正体は人体プログラムのバグ」など、比喩もわかりやすい。

「この先どうなるかという未来予測的な観点で人体を推し量るのが大事」や「知性は恐怖を飼い馴らす手綱」という言葉には100%同意する。

ざっくり書かれていると感じる部分もあるが、「『知る事で、病んでもなお平気になる』ことを目指していただければ幸い」という著者の希望への、第一歩を示す指南書であるように思う。