【徒然】痛覚よ、姿を
半年ぶりの骨髄検査。
白血病患者には定番の検査だ。穿刺と生検があり、今回は穿刺。
結果はまだだが、感触としては大きな異常はなさそうでほっとしている。
痛いんでしょとよく聞かれる。
痛い。
まず麻酔注射が痛い。
痛み止めなのになぜ痛いんだろうと思うが、痛い。
入院中、医師に言ったことがある。
麻酔痛いんですよねえ。
皮膚の痛覚がどこにあるんか可視化できたら
どんなにええかとボクらも思うわ、
そしたらお互いにとって楽やのにね。
そんな答えが返ってきた。
科学は進歩しているけど、痛覚がどこにあるかはまだわかっていない。
血液検査も、麻酔注射も、
穿刺も生検も髄注も点滴ルートの刺入もカテーテル挿入も、
痛覚を避けてすることができれば、どれだけ楽になるだろう。
気持ちも体も。ダメージはどんなに小さくても蓄積する。
10分後には、30分後には、1時間後には終わっていると思いながら、
その瞬間の痛みに集中しないようにやり過ごす。
図らずもこのような時間の過ごし方を身につけてしまったのは、
きっとわたしだけではないだろう。
痛覚よ、姿を見せてくれ。
穿刺の跡は疼く。